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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

最適化する

投稿日:

今号のテーマの「最適化する」という言葉、私が好きな言葉の一つです。最近はコンピューター用語のように用いられるこの言葉ですが、私たちの生活や人生を考えるときにも、とても役立つ考え方です。節分、そして紀元節と振り返りが大切なこの2月に、改めてこの言葉の意味と応用法を考えてみたいと思います。

例えば、家にあふれかえるモノを最適化するといえば、ある意味では目的をもった断捨離であり、または、どこに何があるかを、あるべきところにあるように再整理するという意味になります。

私たちの人生を最適化するといえば、目的に合致しないことはできるだけしないようにして、時間を上手に使うことにも繋がります。どのように解釈してもいいのですが、この言葉を時折思い出してみることで、「そういえば、そもそもこの件の目的って何だったっけ?」という振り返りにも繋がる、便利な言葉でもあります。

しなくていいことをしない

最適化を邪魔するのは、しなくていいことをすることです。逆の言い方をすれば、しなくていいことをしない状態が最適化された状態なのです。コンピューター用語の最適化は、ディスク内のどこにどのようなデータがあるという分析からスタートし、どうやったら最短でそこにたどり着き、最も効率的に稼働する場所に再配置するか、という意味に使われます。つまり、この場合の最適化の目的は「コンピューターの処理能力やスピードを最大化することによって、使う人が最も快適かつスピーディーに結果を得ること」となります。コンピューターですら、メンテナンス不足で使い続けると、しなくていいことをしなければならない状態になるわけで、それを回避するために、ときどき最適化という大整理をする必要があります。

私たちも生きていると、習慣で、もしくは惰性、配慮のしすぎなどでしなくていいことをたくさんしている場合があります。むしろ、長く生きているとモノは増え、捜しものという無駄な時間を費やすこともありますし、しがらみのためにやりたくないことを一生懸命「やらなければいけない」と思い込んでいることもあります。

私はちょっと冷酷で常識がない人間なのかもしれませんが、こんな例をお許しください。仕事上の「お正月の挨拶」という習慣には、ちょっと困っています。というのも、お取引先が特段の約束もなく、いきなりお店(会社)にやってきて「ご挨拶に来ました」と言って、私は仕事の手を停め、その場に向かって他愛もない話をし、仕事に戻ると、何をしていたのか思い出すまでにまた時間を使って……ということになります。これが、年始の15日くらいはずっと続くので、まとまった仕事ができないという悩みを抱えています。特に店を開いてからは、その数が劇的に増えました。

京都や関西では特に、そういう習慣が当たり前なのかもしれず、また来てくださるみなさまは好意で来ていただいているのもわかるのです。ただ、何のテーマもない話をしても、私も何もしてさしあげられませんし、やりかけた仕事も宙ぶらりんになってしまうという悪循環に陥ります。

私の場合、メールかFAXなどで新年のご挨拶と一緒に、何か相手にメリットのある話を一緒にさせていただくように心がけています。何かご挨拶するときには、先様に仕事上の何か良い話を、というのは私なりの最適化の方法であり、お互いに時間を使う価値があり、私も先方もハッピーだと思うのです。年を重ねるごとに、時間のスピードと密度が加速している感覚があり、何にせよ、しなくていいことはせず、ほんとうにしなければならない何かに集中していたいという動機はますます強くなっています。今年はレストランを開業し、チョコレート製造をスタートすると決めていますので、最適な方法で、それを実現していきたいと考えています。

捜しものより大切なこと

私は、捜しものが嫌いです。といいつつも、どこに行ってもスマホを置いてきてしまい、立ち去って数分後に気づいて舞い戻るということを繰り返しているようなケアレスな人間ですが、やはり捜しものはいやなのです。

ということで、例えばスマホの充電器とケーブルは、私が定期的に立ち寄るような場所にはすべて置いてあります。また、私は社内で貴重な男性ですので、何かを修繕することも多く、ネジを回すドライバーや潤滑油、何にでも使えるサバイバルナイフ、単三、単四電池などはどこに行っても置いてあります。まさか、工具一式を持って歩くわけにもいかず、充電器ですら鞄の中でどこいったと探さないといけないがさつなタイプですので、もうそれは割り切って、とにかくどこにでも置いていきます。紙の書類も大抵どこにいったかわからなくなりますので、まずは写真に撮って、クラウド上に適当にアップしておきます。今はウェブで大抵のことが確認できますので、いただいたカタログの類いは基本的にすぐに捨ててしまいます。

そんなこんなで、なんとか時間を工面して、今年のお正月は久しぶりに家族でゆっくり過ごすことができました。たぶん、私の人生にとって捜しものや挨拶回りより大切なことは、大切な人と過ごす時間なのです。

 

- 中川信男の多事争論 - 2018年2月発刊 vol.125

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