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インタビュー取材しました。

批判的に生きる 前編
プレマ株式会社 代表取締役 中川信男 氏

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「自然食はおいしくない」という不文律を覆し、
本当に「おいしい」といわれるジェラートを作り、本場イタリアのコンテストで入賞。
その次は、なにやらチョコレートやチーズをイタリアに学びにいっているという噂。
新たな可能性を切り拓き続ける弊社代表中川信男に、
「可能性」と「選択」について話を聞いてみました。

 

プレマ株式会社 代表取締役 ジェラティエーレ
中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。
 

多様性を認め異なる志向を受け入れる

―さまざまな事業展開のなかでこれまで大切にしてきたことはありますか?
中川 自然食は決して安価なものではありませんが、「だれも置いてきぼりにしない」ということはずっと意識しています。
自然食の業界では顧客が高齢化していたり、もしくは超富裕層のものになっていたりします。
日本では超富裕層というよりも、いわゆる〝意識が高い若い女性〟が増えつつありますが、世界的にナチュラルフード業界が伸びているのに、日本だけが低迷しています。
私自身はというと「誰も置いてきぼりにしない」ということが大切なわけであり、自然食がやりたいというわけではありません(笑)。

うちの店にはよくあるエピソードですが、例えば、彼氏が普通の人で、彼女はビーガンというカップル。
もちろん、その逆もあります。
彼にしてみたらビーガンの店に行くとそれだけでしんどいですよね。
でも、弊店に来たら、ビーガンのメニューも、そうではないものもあるのでどちらも楽しめます。
それが「誰も置いてきぼりにしない」ということ。
通販時代から大事にしてきました。
自分たちだけが正しくて、ほかの価値観が間違いということにはしたくないのです。

病気のこともそうです。
スピリチュアル系やナチュラル系の方は、癌が見つかった最初の段階で手術を拒みます。
しかし、その予後はあまり良くないようです。
この業界ではなにか病気をしたら「切ったらダメ」の大合唱。
西洋医学なんて碌なもんじゃないといわれますが、果たしてそうでしょうか。
人智の到達点が医学のはずです。
西洋医学の医師たちがみんな利権で動いているわけではなく、心ある医師もたくさんいらっしゃいます。
その恩恵は受けるべきだと思います。
でも、この業界では重病にかかると50〜60代で亡くなる人が多いです。
結局命を落とすのは、それを信じた人たちなのです。
そういう自分たちだけが正しくて、周りが間違っているという考えは疑問です。
もちろん「自然食をやっていたら早死にする」と言いたいわけではありません。

―はい。バランスですよね?

中川 そう。
バランスです。
そのためにはリテラシー※がいると思うのです。
病気の場合は「患者リテラシー」というものが必要だと思うんです。
西洋医学の医師に言われるがままで「自然食や食事療法なんて関係ないです!」と排除するのも、自然療法家の言うことだけを信じるのも違います。
セカンドオピニオンという言葉がありますが、一箇所だけ行った病院のお医者さんの言うがままを信じるのも違いますよね。

リテラシーは、解釈し判断する力。
生きていく力そのものですよね。
本来、教育が持つ目的というのは、そういった生きていくためのリテラシーを高めるためのもののはず。
自分と社会との関わりを学び、どうやって生きていくかということを学ぶところが学校だと思うのです。
しかし残念ながら、日本では学校で記憶偏重教育をします。
つまり、私たちは考える力を育てるということをしてこなかったわけです。
そうすると極端に走ってしまうのです。
医療の問題だけではなくあらゆるものに対していえることです。

生きることは選択の連続 リスクとリターンを伴う

―与えられたものを疑わない?

中川 判断するというプロセスがないからです。
本人は選んでいるつもりだとしても、クリティカルシンキング、つまり〝批判的思考〟というものを学んでいないので、比較検討してから決断するということをしていないのでしょうね。
時には論議し、時には情報を整理し、自分の価値観に照らしてなにを選択するか。
当然、選択するということはリスクを伴います。
そこまで理解したうえで選択しないといけません。
選択したはずなのに「私、騙された」という人は、選択したことに対するリスクをわかっていない人です。
マネーリテラシーもそうですね。
「詐欺師に騙されて、財産持っていかれた」はあり得ません。
すべてにリスクとリターンがあります。
選んだのは自分です。
選ぶ前にリスクもリターンも知ったうえで判断する。
それがリテラシーです。
医療、投資、職業、生き方すべてが「選択」の連続なんです。

―パートナーもですね(笑)。

中川 そうです。
そのためのトレーニングを受けるところが、本来は教育であるべきなんです。
子どものころは受け入れるしかない場合もありますが、「とにかく覚えろ」という記憶偏重型教育やパターン化された学習法では、リテラシーは身につきません。
人生における選択は、もっとダイナミックなもので、なにを選んだところでリスクはつきものです。
リテラシーの低い人は、選択に失敗すると「誰かが悪い」という犯人探しが始まる。
すべての責任は、自分であるはずなのです。

―どうやってリテラシーを学べばいいんでしょうね?

中川 批判的に生きるしかないでしょうね(笑)。
私は若いころから批判的に生きてきたので。
誤解のないようにお伝えしておくと、批判的に生きることは、相手を罵倒することではありません。
常に「別の選択」の軸を考えていく。
AなのかBなのかを比較検討して突き詰めていくと、AでもBでもなく、実はCなんだというところに至ります。
AとBを批判的に考えてみると、どちらにも正論の部分があります。
だったらCなんです。
このCが我々の言う「オルタナティブ」。
マルクスの弁証法的唯物論です。

―CがA+Bのこともありますよね?

中川 そうです。
AでもBでもないということもありますよね。
一つひとつの事象や物事を真摯に見つめてみないとたどり着けません。
Aをよく観察していると、Bという対局軸のこともよく見えてくる。
そうするとCだと。

例えば、北朝鮮の情勢についても日本のメディアから情報を得たら、YouTubeで北朝鮮の放送を聞きます。
今では北朝鮮がなにを考えているのか手に取るようにわかります。
一般的には日本のメディアからのみ情報を得て、判断したり批判したりする傾向にありますよね。
でも、北朝鮮を知りたいなら、誰のフィルターも通していない北朝鮮の国営放送「朝鮮中央テレビ」を、トランプ大統領のことを知りたければ、彼の英語のスピーチを聞くべきです。
スマホを開けたら簡単に手に入るような、ニュースばかり読むと、偏重した情報を取り入れ続けていることになります。

口コミサイトはそういう意味でも疑問です。
だいたい評価は3ばかり。新しい発見の喜びがありません。

―口コミの影響で頭で味を評価していますよね。
「3の味」と思って食べて「やっぱり3だ」と確認する。

中川 高評価がつくと、その影響で評価が上がる(笑)。
海外でおいしいと教えてくれる店は口コミサイトでは低評価だったりしますが、彼らは自分の判断を大切にしています。
驚くことにプレマルシェ・ジェラテリアの店頭に立つと、日本人のお客さまに「一番売れているのはどれですか?」とよく聞かれます。
海外のお客さまに多い質問は「あなたの好きなものは?」。
一番人気を聞くのは、日本人のリテラシーの低さを物語っていると思います。

― 一番人気の味を食べることのメリットは「失敗しない」ことでしょうか?

中川 そうです。リスクの低減でしょう。
弊店は試食できるのに自分の感覚で選ぶことをしない。
私は逆に質問します。
「お客さまはどんなお好みですか?

今日の気分はあっさりした感じか、こってりしたものが食べたいか……」と。
少し聞いてみないと、売れているからといって好みに合うかどうかわかりません。
本人がレモンのようなさっぱりしたジェラートを食べたい気分なのに、ピスタチオのようなこってりしたものを勧めても合うわけがないのです。

本質を学ぶのか 技や手法を学ぶのか

中川 こんなにマジョリティに賛成している国は欧米はもちろん、アジア圏にもなかなかありませんよね。
自分で味わったり考えたりしない。

―いろいろなことに通じますね。

中川 すべてに通じます。講座などもそうです。
以前、300万円クラスのマーケティングセミナーに参加しましたが、そのクラスのセミナー参加者は、「原則」を学びたがっています。
そして数千円〜数万円のセミナーに来る人はテクニックを知りたがります。
300万円のセミナーのほうは、本質論ばかりで技は教えませんが、それでも満足度が高いのです。
テクニックを求める人は、手っ取り早く技を入手したいのでしょうが、長い目で見ると、そのほうが時間がかかります。
「そもそもジェラートとは?」と本質や骨格の部分から入ると、一気にバリエーションが増え、可能性が広がります。
「あの果物を使ったレシピは?」と具体性があればあるほど汎用性はない。
ディテールばかり学んだところで本質に至るには遠いのです。
もちろんディテールをたくさん学ぶと、ある程度の共通項や本質が見えてきますが、外堀から埋めると気が遠くなるほど時間がかかってしまいます。
「ジェラートとは、糖と油脂と水分のバランスか」ということにたどり着くと、そこからは早い。

―とはいえ本質が見えても日本人には応用は難しいように思うのですが、そういう人に足りないのは知識や経験でしょうか?

中川 知識や経験もですが、考える力と好奇心がないのでしょう。
好奇心が不足しているから時間がかかる。
現在、チョコレートやチーズの勉強をしていますが、チーズの骨格って一つしかないんです。
種類はいろいろありますが、実はとてもシンプルです。
チーズは乳に菌を入れるというのが基本。
あとは水分をどれだけ抜くのか、どんな菌を入れるのか、どれだけ熟成させるのかによる違いがあるだけ。
だからレシピはありません。
チョコレートも似た感じです。
柔らかいモッツァレラチーズと、ラクレットのような長期熟成したハードタイプのチーズ、元は同じものなんです。
乳の種類はもちろんそれぞれ違いますが、それも、牛か、羊か、ヤギか、水牛ぐらいですよね。
日本だと牛しかありません。
なんらかの乳に、菌を混ぜて加温していって、ある温度で止めて混ぜる。
するとホエイ(乳清)と固形が分離するわけです。
そこでカットします。
このカットのサイズは、ごま、豆、くるみなどイタリアでは具体的な穀物などのサイズで伝えられます。
そのサイズによって表面積が違うので、水分の抜け方も違ってくるのです。
日本にはチーズ学校はありませんが、もしも日本にチーズの学校があるとしたら、モッツァレラチーズの作り方、ラクレットの作り方と、それぞれのチーズの講座があったりするのではないでしょうか。
イタリアでの二日間のチーズ講座で私がわかったことは「結局、チーズはみんな同じ。
ただその工程が違う」ということです。

イタリア人から料理を学ぶと、そこには「修行」という言葉はありません。
だからイタリアのジェラート店で何年修行したという肩書きの人がいるコンテストで、私のような新参者が入賞することもあるのです。
(11月号に続く)

- 特集 - 2018年10月発刊 vol.133

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