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特集

インタビュー取材しました。

衣が変われば 心も体もご機嫌に

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「私のからだ」に寄り添う肌着をどのように選んでいますか? 365日身に着ける肌着を、今一度立ち止まって見つめ直してほしい。自分に合う心地よい肌着にめぐりあってほしい。そう話すのは、オーガニックコットンの肌着づくりに情熱を持ち続ける中根さん。肌着選びが楽しくなるヒントを伺いました。プレマ株式会社の商品担当であり、ナチュラルスタイルの肌着を愛用している横山との対談企画です。

Natural Styleディレクター
中根 弘美(なかね ひろみ)

1994年にオーガニックコットンと出逢い、2005年にインナーブランド「Natural Style」を立ち上げる。ショーツとブラジャーを中心に、身に着けることで女性が内側から美しくなれる多くのアイテムを送り出してきた。天然繊維と化繊の利点・欠点を熟知し製品づくりをするなかで、女性が自分の体に合う下着を選ぶお手伝いをするため、フィッティングやワークショップなどを通じて「衣育」にも取り組んでいる。

プレマ株式会社 プロモーションセクション
横山 奈保(よこやま なほ)

2011年プレマ株式会社入社。主に、プレマのオリジナルブランド「プレマシャンティ」の商品開発を担当。全国各地の作り手さんたちの想いをのせて、数多くの品々をお届けしている。ナチュラルスタイルの下着を個人的に愛用していたことから中根さんに熱烈アプローチし、プレマの通販サイト「びんちょうたんコム」での販売がスタート。以来、展示会やワークショップを通じて下着にまつわる様々な知恵を共に伝えている。

 

理屈を超えた脳が感じる心地よさ

――中根さんがオーガニックコットンの肌着に携わるきっかけはなんだったのですか。

中根 大学卒業後、肌着メーカーに就職し、オーガニックコットン肌着のブランドプロジェクトに参加したのがきっかけです。1990年代のことです。見た目では違いがわからない一般的な綿とオーガニックコットンですが、肌着に使用すると何が変わるのか、他の繊維と比べてどんな違いを感じることができるのかなどと、肌着のモノづくりに好奇心いっぱいでした。

横山 日本で「オーガニック」の商品が普及し始めた2000年頃よりも前ですね。

中根 はい。アメリカから新しい農法で栽培された綿(オーガニックコットン)とのことで、初めて紡績会社さんに教えていただきました。一般的な綿栽培では、大量の除草剤や化学肥料を使うことによる土壌汚染、農家さんの健康被害、アンフェアな取引といった多くの問題があることも学びました。そして、新しい綿製品として、1994年9月、「ORGANIC GARDEN」ブランドが誕生しました。

横山 当時のオーガニックコットンや肌着市場はどんな感じでしたか。

中根 女性下着といえば〝寄せて上げて〟のカラフルでゴージャスな下着や補整下着が大ブームでした。そんな売場を横目に、オーガニックコットンの肌着はまったく色気のない生成や茶色。おじいちゃんのももひき色と揶揄されていましたね。

横山 そんな環境のなか、続けてこられたのですね。

中根 当時の流行とは完全に逆行したモノづくりでしたが、いち早く従事することができた事にとても感謝しています。

横山 オーガニックコットンの肌着を最初に履いてみてどんな感じでしたか?

中根 当時20代の私は冷え性で、いつも手先や体の芯が冷たく、生理の時はおなかが痛くなっていました。ある日、オーガニックコットンのショーツを履くと、「あ、あったかいんだ」と感じ、履き続けると、「冷えないんだ」ということをさらに実感しました。見た目は地味なショーツを履くのに少し抵抗がありましたが、むしろ「あたたかくて楽になる」という衝撃のほうが大きくて、これはみなさんにお伝えしていかなくちゃと強く思いました。

横山 わかります。これだ!という感じですよね。

中根 お肌、つまり皮膚って、人間の臓器のなかで一番大きな部分です。しかもショーツは一番大切な部分を守っています。履いた瞬間に、言葉や理屈を越えて「気持ちいい」という状態を脳で感じるものなんですね。でも当時は、興味を持ってくださる方は少なかったです。

横山 地味ですもんね。

中根 今は茶色もヌーディと若い人たちに人気ですが、当時は生成と茶だけではどうしようもなく、天然染色のピンクとグレーも加えました。それでも地味です。百貨店で店頭販売しても売れない日々でしたね。

横山 それがどれくらい続いたのですか。

中根 10年ぐらいでしょうか。健康志向の方がとりあえず1枚と買って行かれる。でもね、一度履くと洗い替えにともう一度買いにきてくださるんです。「ああ、わかってくださった」という小さな喜びを積み重ねてきました。今でもその喜びは大切にしています。

 

衣類のいちばん大事なことを誰も教えてくれない

――中根さんは、下着を選ぶときのフィッティングをとても大事にしていらっしゃいますね。

中根 女性だと30代ぐらい、体の変化を感じたときに、着るものにも意識を向け始める方が増えました。それまでデザインや価格などで下着を購入されているからでしょうか。サイズが変わっていたり合わないサイズを着けておられたりする方がとても多いです。私たちのフィッティングでは、サイズを測るだけでなく、肋骨や肩甲骨の位置、胸が垂れそうな姿勢、腕の動かし方など、体の状態を見てアドバイスさせていただいています。どういう状態が体にとって心地よいのかということにご自身で気づいていただき、それを脳が記憶すると、体のゆがみなども改善され、下着のサイズが1サイズ変わることもあるからです。

横山 ナチュラルスタイルさんのショーツを履いていると、履いていることを忘れています。

中根 嬉しいお言葉です。ショーツは一番違いを感じられるので、いつもショーツから試してみてくださいとお伝えしています。どなたにも合うものが見つかるように、ショーツの種類はたくさんご用意しています。

横山 一番身近なものですからね。

中根 肌着を選ぶ際の知識として、綿は通気性が良くて、吸湿性・吸水性などに優れているということや、ポリエステルなどの化繊ばかりが肌に触れていると、帯電しやすく、体が冷えやすいなどというような繊維の性質について、学校で学べたらいいのにと思います。生きていくために大切な「衣食住」のいちばん先にくるものですから。

横山 やってほしいですね。化学の実験とかで、この繊維とこの繊維を合わせるとパチパチきますよとか。プレマで開催するワークショップでは、服と服の相性の話をすると、みなさんとても興味を持って聞いてくださいますね。

中根 私は、天然繊維と化学繊維の両方の良し悪しを学ばせていただきましたので、身に着けるものが体にどう影響するのかを「衣育」としてお伝えしていきたいと思っています。特に下着には、体を冷やさないという大切な役割があります。美しく健康でいるためにも、体の内側から冷やさないを心がける事はとても大切ですよね。パリコレに出ているモデルさんたちも、ステージ上では締め付ける衣装を着て肌を露出していますが、普段は深めのショーツを履き、足首、手首、首などの大事な部分は絶対に冷やさないということを守っています。

横山 本当の美しさは、メイクや洋服では作れないですね。

中根 たとえばショーツで汚れが目立つといわれることがありますが、体から出てくるものは、体からのサイン。出てくるものを愛おしく思えるぐらい、自分の体の見えないところにも意識を向けていただきたいんです。身に着けるものが変われば、体はもっと楽で美しくなれる。それを肌着から伝え続けることが、私たちの使命だと考えています。

横山 今でこそお母さん世代が、子どもたちにはなるべく無添加の食べものを用意して、オーガニックコットンを着せてという方が増えています、でも一定の年齢になると、みんな一度は羽目を外して、キャラクターがいいとかレースふりふりがいい!ってなりますよね。

中根 はい(笑)。普通はそうなのですが、お客様に聞くと、うちのガールズショーツは、プリキュアが好きと言っているお子さまでも、お洗濯からあがってくるとそっちを選んでくれるそうなんです。それを聞くと、嬉しいですね。

横山 わー。ファーストパンツって本当に大事ですね。

中根 小さい頃の感覚形成は成長過程で影響をもたらすといわれているので、親御さんが肌着も意識して選んでいただけるといいなと思います。

横山 中根さんはよく、何が良くて何が悪いのかを理解したうえで選ぶのと、わからない状態で食べたり着たりするのとは違うと仰いますね。

中根 私たちはしっかりと事実をお伝えする。そしてみなさまが何かを選ぶ際は、本質を見極める目を持ってご判断される日常であってほしいです。

着るものは生鮮食品と同じ

―― ナチュラルスタイルさんの衣類の着心地の良さは、どのように生まれるのでしょう。

中根 こだわった生地と繊細な縫製、そしてスタッフみんなの愛がこもっているからでしょうか。原料から製品になるまで、すべての工程で化学薬品を使っていません。原料がオーガニックコットンだとしても、染色しやすいように脱脂したり、化学染料で染めたり、柔軟剤や防縮剤などの薬剤を使ったりすると、せっかくのオーガニックコットンの良さが失われてしまいます。そして同じ生地、同じ型紙でも、縫い手の感覚や意識の違いで、着心地は大きく変わるので、丁寧に繊細にミシンをかけるよう心がけています。

横山 肌は、何ミクロンの違いを感じられるのだから、すごいですよね。

中根 それを一番感じていただけるのが、ゴム入れでしょうか。履いたときに違いがわかると思います。他社工場さんに縫製をお願いしたこともありますが、やはり私たちの求めている履き心地とは何かが違うんです。ニュアンスを伝えきれない自分たちの責任ですが……。今はすべて国内自社工場のみで縫製しています。私たちが追求している「手」がなくなったら、ブランドを閉じようと思うぐらいとても大事に考えています。それなので大量生産はできず、いつもお待たせして申し訳なく思っています。

横山 それは、プレマシャンティR のモノづくりと通じるところがあります。食料品も買いたい欲しいといえばすぐに手に入る作り方、流通、販売の仕方をしてきて、それが浸透してきた。でも食品は天産物なので、本当はできることできないことがあります。プレマシャンティR では、どこにも無理をさせず、できる範囲のものをみんなで分け合おうという考え方からスタートしました。それと衣類は何が違うの、と思うんです。

中根 じつはオーガニックコットンも農産物で、おてんとさまや水などに恵まれないと収穫できません。大量生産、大量廃棄を続けてきたアパレル業界ですが、私たちのお客さまは「茶色が欲しかったけどピンクがあるならそれを買って、また次買うわ」と在庫のあるものでご対応くださる方が増えてきて、とても感謝しています。

横山 発想の転換だけですからね。ゆっくり物が入ってくるなら自分で考えて先に頼めばいいんです。

中根 ありがたいです。衣類に思いやりを持ち、お洗濯や保管の仕方なども見直される方が多くなりました。使い方、洗い方、干し方、買替えに至るまで、しっかりお伝えしていきたいです。

横山 プレマでも一緒に伝えていきたいです。あとじつは私、トランクスをショートパンツ代わりに履いているんですが、本当に気持ちがいいんですよ! オーガニックコットンの下着が男女共にもっと広がったらいいのにと思います。

中根 トランクスを女性が履いたり、ショーツを男性が履いたりと、気持ち良いと感じるものを自由に履いてほしいと思います。下着は締め付けるものではなく、包み込むものですから。一日中ストレスフリーで過ごすことで、幸せホルモンが溢れ出し、ますます笑顔になれるはず。からだを自然に解放してくれる、自分に合った心地よい肌着を見つけていただきたいと思います。

着心地にこだわりを持ったモノづくりで、オーガニックコットン製品の魅力を伝える。「ORGANIC GARDEN」「Leaf Cube Organic」「KusaKanmuri」の3ブランドを展開。

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衣が変われば 心も体もご機嫌に

- 特集 - 2021年8月発刊 vol.167

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