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中川信男の多事争論

「多事争論」とは……福沢諭吉の言葉。 多数に飲み込まれない少数意見の存在が、 自由に生きるための唯一の道であることを示す

プレマ株式会社 代表取締役
ジェラティエーレ

中川信男 (なかがわ のぶお)

京都市生まれ。
文書で確認できる限り400年以上続く家系の長男。
20代は山や武道、インドや東南アジア諸国で修行。
3人の介護、5人の子育てを通じ東西の自然療法に親しむも、最新科学と医学の進化も否定せず、太古の叡智と近現代の知見、技術革新のバランスの取れた融合を目指す。1999年プレマ事務所設立、現プレマ株式会社代表取締役。保守的に見えて新しいもの好きな「ずぶずぶの京都人」。

波に乗るつもりで
でも、乗れなくてもかまわない

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本来なら喜ばしいはずのオリンピック。原稿執筆時点は開会式の前で、いったいどうなっているか見通せません。個人的には点数や勝敗などで順位をつけるスポーツにはまったく興味がないのですが、アスリートの皆さん個々人の努力には感情が動くこともあり、賛否両論が渦巻くなかでも、私たちのこころに響くような活躍を期待したいところです。
 
私たち地球市民は、この一年半ほどのあいだ、あらゆる非日常に翻弄され、感染の波の満ち引きで一喜一憂を繰り返してきました。ワクチンを救世主のように崇める国やメディアの前で、ほんとうの意味で私たちは無力であり、完全勝利することなどありえないのですが、ウイルスを巡るあらゆることが、まさにスポーツのごとく「勝つか負けるか」の二極で論じられてきました。
 
ワクチンを打つか打たないか、マスクをするかしないか、私権の制限は良いか悪いか、酒は是か否かなど、当然、答えの出ないことでありながら、どちらに立っても言葉は強固になってしまい、違う立場や違う見解を攻撃する風潮も強くなりました。異論を受け付けないで排除しようとするムードは歴史的に見ても極めて危険な流れといえ、このようなときに波風に一喜一憂しない精神を発揮するにはどうしたらよいのでしょうか。

環境に順応する

私自身はこの一年ほど、海や湖での水遊びの楽しさを覚えてしまいました。初心者ながら周りの先輩の皆さんを眺めていると、風のマリンスポーツをする人は風のあるなしで楽しいか楽しくないかが決まり、波を待つ人は波の高さでその日が楽しいか、また見送るかが決まります。何事もひとつに集中して極めていくと、よいコンディションかそうでないかは自ずと決まってくるようで、風の達人はより強い風が、波の達人はより高い波が面白いのです。
 
しかし、私のような後発の場合には、最高の風や波を待つほどのレベルでもなく、むしろ環境の変化に自分を合わせていくほうが状況を選ばずに楽しめると思い、無風のときにはSUPで漕ぎ、風があればウイング・サーフィンを、波がきたらSUPサーフィンをと、実に欲張りになんにでも手を出しています。使う道具はそれぞれに違いますので、最初はかなりの投資になってしまいましたが、その日の天気予報次第で持ち出す道具や行先を変えて、環境に合わせて自分の頭とモードを切り替えています。頭の半分が「今日はなにして遊ぼう」と考えている矢先、数年前からまれに起きるお尻上部の悶絶するほどの激痛に見舞われてしまい、今度は動くことすら難しい憂き目がやってきました。たしかに痛いのはイヤですが、ひとしきり痛みに耐えて動けるようになってくると、今度は水辺に行かずに、なにをしたら楽しいかを考え始めました。

考え方ひとつ

私はジェラート職人ですが、焼き菓子の経験はないので、「じゃあ、お菓子を焼いてみよう」と思い立ち、自社製品の大豆をまるごと発酵させた豆汁グルトという素材で、動物性素材を一切使わないチーズケーキ(もどき)を焼いてみたのです。嬉しいことに最初からうまくいき、試食した人からは「あれでチーズや生クリームが入っていないとは到底思えない」と言ってもらえるほどおいしいものができたのです。このプラントベースチーズケーキは、自社のレストランで提供していますので、京都にお越しの際はぜひお立ち寄りください。
 
すっかり自慢話のようになってきましたが、実は私なりの処世術がここにあります。起きてくる出来事を無理矢理変えることはできないので、状況に合わせて対処しようという、よくいえば柔軟、悪くいえば優柔不断さで対応しているので、環境がよくなければ「仕方ない、別のことを考えよう」と切り替えだけは早く、割り切れるのです。
 
もともと、ジェラート作りに手を出したのも、お客様と自分の年齢がどんどん上がっていくことに対する危機感と同時に、自社で輸入をしはじめたアフリカの果実バオバブがテレビで取り上げられ、一気に注文が来たと思ったらブームは一瞬で去り、数千万円の在庫の山を抱えたことから始まりました。バオバブの機能性と栄養価を活かすとしたら、なにになるかを論議しているあいだに「ジェラートはどうですか?」という一言から始まって、世界コンテスト連覇にまで至ります。コンテストでも自分のベストな味を表現しようとするよりも、審査員の様子をじっと観察して、イタリア人のプロはどんな味が好きなのかだけにフォーカスしていたことが功を奏しました。風見鶏のようなこだわりのなさで、プロからみれば許しがたいことでしょう。
 
未知の状況で、ベストな政策決定を国や行政に求めることすらそもそも無理であり、感染症のプロだからといっても、ほんとうはわからないことでいっぱいというのが真相なのです。彼らは「専門家」だから、知らないこともわかったような顔をしているだけです。そう割り切ってみれば、この状況は自分次第、考え方ひとつで楽しめそうと思いませんか?

夏の季語だからこの季節こそ

自然界のバランスを作物にインストールするアポロ農法を使った石川県白山市産の玄米を、発酵の巧みが仕込みましたので、糖化が難しい玄米の甘酒ながら、一流の味と甘さがこの1瓶に凝縮されています。甘酒は飲む点滴といわれますが、この品はまさに食べる元気と活気そのもので、点滴以上の不思議ななにかを宿しています。

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波に乗るつもりで でも、乗れなくてもかまわない

- 中川信男の多事争論 - 2021年8月発刊 vol.167

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