浄水ポットを使って水を飲んでいましたが、交換用フィルターが切れてしまい、今や水道水をそのまま飲んでいるのと変わりません。身体の健康の観点から、問題はあるでしょうか?(福岡市・めんどくさい犬)
A.塩素や微細なゴミも摂取している可能性が
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
人間の生活のなかで、水は重要な要素です。なぜなら人の身体の7割は、水でできています。食べるものと同じくらい、口にする水について考えることは大切です。
では、どういう水がおいしい水かといえば、まず挙げられるのが湧き水です。たとえばハイキングに行って、急な斜面を歩いて登ったあとに、湧き水を口にすると生き返った心地がするように、おいしい水は人を元気にさせます。日本は「瑞穂の国」といわれるように、非常に水源に恵まれた国で、ゆえにペットボトル入りの水、お金を出して飲料水を買うのが浸透しませんでした。しかし今や湧き水、ペットボトル入りのナチュラルミネラルウォーターを飲むことも当たり前になりました。火山国の日本は山の斜面が急なので、湧き水はミネラルの少ない軟水が中心ですが、なだらかな山の多い海外の国では、ミネラルの豊富な硬水のナチュラルウォーターが広く流通しています。
日本では、水道をひねれば、きれいでおいしい水は飲めます。飲料水まで蛇口からまかなえるのは、実は世界的にみても珍しいケースです。しかし水道水にも問題はあります。それは浄化される過程で、塩素で強力に消毒されているということです。
塩素のなにが問題かといえば、浄水場で加えられた際に、水中の有機化合物と反応して、トリハロメタンを生成してしまうことです。トリハロメタンは発がん性を有するとの報告もある物質で、これを水道水と一緒に体内に取り込んでしまう可能性があるのです。
そもそも水道水は、生活排水の流れ込んだ河川の水を引いて浄水している場合が多いです。私は大阪府に住んでいますが、滋賀県や京都府の生活排水が流れ込んだ川の水が浄水場を経て、家庭に運ばれます。もとは汚水ですから、いくらきれいにしても、汚れたことを隠すことはできません。けれども慣れとは怖いもので、繰り返し口にしていると、人はそれをおいしいと感じるようになります。
1996年にO157食中毒事件が起こった際に、政府は全国の水を徹底的に塩素消毒するよう命じました。水道管を流れるときに溶け込むサビや、目に見えないゴミの除去とともに、塩素をカットすることもまた、水道水を飲む人にとっては、全国共通の課題となってしまったのです。
では家庭で、塩素や微細なゴミをどのように除けばいいのか。まずは浄水器の利用が考えられます。活性炭フィルターなどを通せば、塩素とともに、目に見えない細かなゴミも除去してくれます。これらをそのまま体内に取り込めば、まさしく肝臓や腎臓がフィルターになってしまいます。内臓に負担がかかって、目詰まりする状況になるので、水道水は家庭で浄水して飲みましょう。また塩素の除去だけなら、炭を浄水ポットにいれておくだけでも大丈夫です。
くわえて水を元気な状態に戻してあげることも考えましょう。水は湧いたときはエネルギーに満ちていますが、時間とともに、それも失われます。たとえばミネラルウォーターを飲むときは、プレマでも取り扱いのある「Nature’s Design」のグラスウェアに入れれば、生きた力が復活します。また石油プラスティックのコップではなく、「森修焼」の陶器で飲んだ方が、水もおいしくなります。水道水もミネラルウォーターも適切に飲んで、毎日、健やかに暮らしましょう。