身体のことを考えて、なるべく食品添加物の入っていない食べ物を選ぼうと思うのですが、やはり食品添加物入りの食品は身体によくないのでしょうか?(神戸市・これからは自然派)
A.昔から自然にあるものなら安心です
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
世界でプラスティックによる自然環境の汚染が深刻化しています。日本でも、今年の7月からスーパーやコンビニでレジ袋が有料化されました。一方で、今年は新型コロナウイルスの影響で人間の経済活動が縮小し、結果として空気や水が澄むという皮肉な事態を引き起こしています。
人間は自然にある食べ物をあるががままに取り入れていれば、その恩恵を受けて元気に過ごせます。ところが、自然には存在しない、人間が自らの都合で作り出したもので、しかも人間の生理機能では分解できないものが世の中にあふれています。ざっくりいうとプラスチィックとほぼ同じように石油から化学的に作られたものです。それらを口にすることは、長い目で見ると私たちの身体を汚染することになるでしょう。自然環境と同じですね。
どこかのコピーではないですが、「やがては命に変わるもの」、人間は肉や野菜といった自然の命を食べ、それを自分自身の命に変えて生きています。マクロビオティックの「身土不二」という言葉は、身体(命)と土(環境)は不二(分けられない)という意味。つまり人間は、その土地の食べ物を自然のままいただくから、元気に生きられるのです。そして、自然界に存在しないものを摂ることで、身体をこわすケースが現実的に起こっています。
食品添加物の種類は多く、大きく分けて、指定添加物、既存添加物、天然香料、一般飲食物の4つがあり、その種類はなんと1500種以上にもなります。そのうち463種が指定添加物に当たりますが、これほどに自然由来でない添加物が認可されている国はめずらしい。当然、国が定めた基準によって使われますが、問題は私たちが身体に取り込んでいる量です。平均すると1年で国民1人あたり6kgといわれています。
食品添加物のメリットはそもそも食中毒の予防でしたが、最近は低コストで味と香りと食品の安定性をはかる目的で多方面に使われています。戦後、傷んだ素材に保存料を添加し、美味しくない素材にうま味調味料を加えれば、大量に、早く、安く、食品を生産できました。餓えをしのぐという点では大いに役目を果たしてくれましたが、飽食の時代である今は、量より質に気を使うべきです。
また、食品添加物といっても、危険性の高いものから自然に近いものまでさまざまです。かつて使われていたものが今では使用禁止になっていることもありますから、安全だと今いわれていても、今後発がん性が認められるようなケースがないとはいえません。自然界の動物は、お母さんが食べて安全だとわかっているものを子供に与えるものですが、人間は安全性がわからないものでも子供に食べさせてしまうというのは皮肉な話です。
今年の4月から食品表示法が変わり、原材料欄で添加物をわけてを表記することが義務化されました。原材料を見ればどれが添加物かわかりますから、まずは目で確かめるようにしましょう。ただ、日本では有機添加物を有機だと表記できないため、安全性を確かめるのが難しいこともあります。その場合は有機JASマークを見るのも手です。
食品を選ぶときは、本来必要な材料だけで作られているかを見ると良いでしょう。たとえば醤油は、大豆と小麦と塩があれば作れます。目で見るだけでなく、食べたときに自分の身体に耳を傾けて、身体が喜んでいるかどうかに思いをはせることも大切ですね。