コーヒーがとても好きなのですが、身体にはよくないイメージがあります。
「コーヒーは身体を冷やす」というのも聞いたことがありますが、あまり飲まないほうがいいのでしょうか?(大阪市・コーヒーは夏でもホットで)
A.冷えがちな人は摂りすぎに気をつけましょう
答える人 プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次
コーヒーは13世紀頃にアメリカやヨーロッパで広まり、日本には鎖国の時代にオランダから入ってきて、第二次世界大戦の後に広がりはじめました。日本では昔は休憩で一服というとお茶ばかりでしたが、紅茶やコーヒーが一般的に広まり、今ではあらゆるところに喫茶店ができて、そこでおしゃべりをしながらコーヒーを楽しめるようになりました。家庭でもレギュラーコーヒーをドリップして飲んだり、最近では自分で豆を挽く、焙煎して贅沢に嗜むなど、すっかりコーヒー文化が定着しています。
このように広く愛されるコーヒーですが、「カフェインが含まれるため身体によくない」「コーヒーは身体を冷やす」というのはよく耳にしますね。
たしかにコーヒーは身体を冷やす作用があり、熱いコーヒーであっても最終的には冷えてしまいます。利尿作用もあり、トイレが近くなったりします。
しかし冷やすからといって一概にそれが悪いというわけではありません。暑いときにほどよく身体を冷やすのは理にかなっているからです。またコーヒーは科学的な研究でも心臓病や脳卒中になりにくくなるという報告があがっており、コーヒーに含まれるカフェインも覚醒作用があるため、医薬品や食品添加物に使われるなどいい面もあります。
では、コーヒーはなぜ身体を冷やすのでしょうか。
コーヒーの原産地はアフリカやインドネシアや南米など赤道に近い場所、いわゆる暑い地域です。暑い地域が原産地あるいはよく育つ作物というのは、そこで生息する動物にとってバランスがとりやすくできています。マクロビオティックの陰陽でいうと陰性で、年中暑い地域で暮らす人々にとっては身体をほどよく冷やしてくれるということ。しかし温暖な日本ではこのように暑いところで採れる作物はどうしても身体を強く冷やしてしまいます。コーヒーを飲むときブラックではなく砂糖やミルクなどを入れて飲む人も多いですが、砂糖も同じように暑い国が原産地で、さらに精製されているため身体を強く冷やすので注意が必要です。
このようにコーヒーは陰性ですから、逆に身体を熱くする陽性な食べ物、たとえば西洋的な料理や肉や卵、魚などで体が陽性に傾いていると欲しくなるものです。肉で陽性に傾いた身体をコーヒーを飲んで冷やすことでバランスがとれる。それゆえ肉をたくさん食べる国の方のほうがコーヒーの消費量が圧倒的に多いです。日本でコーヒーが広く普及した背景には西洋的な料理の消費が増えたということもありますが、それでも西洋人ほどは肉を食べないので、日本人が西洋人と同じようにバランスをとるのは難しいです。
また、人間は動物と一緒で活動する生き物ですからそもそも陽性です。本来人間は野菜や穀物など植物性のもので健康的に過ごせるのですが、本質が陽性なので陰性のものが欲しくなります。コーヒーもそうですが、いわゆる嗜好品といわれるお酒や甘いものは陰性で身体を冷やすものばかりです。しかしこのような嗜好的な、冷やすものを求めてしまうのは陽性である動物の宿命。コーヒーに関しても、あくまで嗜好品で体を冷やすものだということを理解したうえで楽しんでいただければと思います。特に身体が冷えに傾いている人はバランスを崩してしまうこともあるため、摂りすぎには気をつけましょう。