新型コロナの騒動により、ウイルスが敵視されていますが、ヒトの体には腸内細菌をはじめとする微生物が存在し、また常在菌や空気中のカビなども含めると、人間は多くの微生物と共存して生きています。いわば、ウイルスはそこらじゅうにいるわけで、ヒトに感染して人体に害をもたらすのは、病原性ウイルスといわれる、ごくわずかなのです。ウイルスのほとんどは人体に危害を加えません。はたして、人間に一方的に敵視されたウイルスは、ヒトのことをどう思っているのでしょうか?
ある少年は、あるとき自分に小さな球があることに気がつきます。やがてその関心はボールになり、野球を始めます。そして、丸いもの(球)への関心は、やがてこの世で一番大きな地球へとたどり着き、地球環境に興味を抱くようになるのでした。また、ある少女がいました。彼女は、大きくなると自分のお腹の中にいのちを生み出す宇宙が存在することに気がつき、その宮(キュウ)に浮かぶ球から、地球に関心を寄せるのでした。
いずれにせよ、ヒトは皆、成長すると、やがて自分のいのちの素である環境(大宇宙に浮かぶ地球)に意識が向かい、関心を持ち始めます。自分の住みかである地球にも実はいのちがあり、生きているという解釈に至るのです。
今年の夏も異常気象が続きましたが、そんななか、気候変動研究に大きな貢献をした元・日本人の真鍋淑郎氏にノーベル物理学賞が与えられました。環境への関心が高まるなか、地球全体から見ると、ヒトはウイルスみたいな存在なのかもしれません。昨今の異常気象は、そんな人間の自然破壊へのしっぺ返しとも考えられます。また浄化を期待して、人工的な化学物質を海に垂れ流す行為。これは自然側からすると、病原性ウイルスがヒトにまき散らす悪影響と同じようなものでしょう。安易になんでも海に流し続けると、やがて、誰もいない海、となってしまうかもしれませんね。
梅由来のクエン酸による
機能性表示食品
なんでも丸くする技術で世界的に有名になったウメケンという会社があります。梅干しを丸い粒にした「梅干しさん」で、一世を風靡した会社です。創業当初より地道に努力され、製丸技術では、いまでは右に出るものがない存在になりましたが、黒子として製造に徹する会社の方針のため、作っている製品については、ほとんど世に知られていません。長年、梅製品、とくに梅エキスの開発に力を注いでこられました。
梅エキスの酸味は、人間の疲れを軽減する効果があるのに、食品として販売する場合は薬機法に沿わねばならないために、効果・効能をうたうことができませんでした。しかし規制緩和のなかで、いわゆる健康食品と呼ばれるものでも、きちんとしたエビデンスの示せるものは機能性を表示できるようになり、クエン酸も表示を認められるようになったのです。そして、今秋、晴れて機能性が表示された梅エキスが、ウメケンから発売となりました。卓越した製丸技術と研究結果のもとに開発された特別な梅エキスの製造法で、機能性表示可能な「梅エキス丸」を作ることに成功しました。
完熟した梅から取り出した果汁をもとに作られた梅エキスのクエン酸は、その機能性が高められています。また梅由来のクエン酸のみで機能性表示を獲得したというのは、まさに革命なのです。「疲労感を軽減」とはっきり言える食品の誕生で、今後梅エキスは大きく変わることになるでしょう。世知辛い世の中を、酸味でスッパり、乗り切りましょう。