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生物経済学事始

【Vol.29】(その11)経済学のノヴァ・パラダイム

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 師走に入ると周りが何となく気忙しくなってきました。加えて新型インフルエンザで大騒動ですが、今のところニュースで騒ぎ立てるほどの大きな被害が出ていないのが幸いです。他方、民主党に政権が移り国家予算の仕分けが耳目を集めていますが、賛否両論賑やかな中でこれまでの官僚政治の杜撰さ、収奪の仕組みのごく一部が白日の下に曝されたのは画期的な事でしょう。

 前にも書いておいたかもしれませんが、故人となられた草柳大蔵さんから聞いた話で、平成に入ってからの4年間で政府の財政出動は60兆5000億円に上ったにもかかわらず景気は少しも動かなかったそうです。しかるに、昭和50年代には1兆円の財政出動でその1・4倍、すなわち1兆4000億円の効果となって、合計2兆4000億円の経済効果による市場活性化につながったとのことです。10年ほど前に、私が色々指導していた竹炭生産組合が林野庁の外郭団体から補助金を受けたのですが、850万円の補助で手元に届いたものは185万円、実に78%の中抜きです。問題になっている天下りも、給料だけが問題視されていますが、一人に掛かる諸経費を入れると3000万円は超えるでしょう。200人で60億円、前回のコメ作りで換算すると、1万人の農民が4万町歩(4万ha)の水田から得られた純益60万円を差し出して僅か200人の無為徒食の輩を養っていることになります。通常、産業連関では、この60億円が経済の血液として循環すれば最低でも10倍の経済効果になるはずです。数年前に、マレーシアで廃棄されているオイルパームという実からパーム油をとる椰子の幹の廃材を有効利用する技術を確立したので実用化のプロジェクトを立ち上げたいとNEDO(新エネルギー開発機構)に提案すべく理事長と面会したのですが、その尊大さにあきれてしまったことを思い出します。草柳さんの話から推定しても平成に入ってからの21年間、壮大な無駄を政官で行ってきた結果が現状に反映しているのでしょう。

 今回の447事業の仕分けで大雑把ですが2兆円の無駄の削減に繋がったのですが、全体の事業3000件以上では15兆円の削減が可能でしょう。これを産業連関となる有効な財政出動の原資にすればと考えていますが、今の政治家のレベルでは疑問符が付きそうです。
 さて、これまで述べてきた生物経済学のまとめに入りたいと思います。

 まず、生物経済学の基本となる枠組みを確り決めておかねばなりません。これを箇条書きにして示します。 ・ジオスフィア(地球圏、生存圏)では、全ての生物は「共生」と「調和」 というキーワードによっていのちの連鎖、生命の循環を崩さない。

・ジオスフィアでは、食物連鎖という物々交換の経済を基本とする。これはゼロ・エミッション(理想循 環系)と呼ばれるもので、本来、自然はピラミッド構造をした食物連鎖の中で環境を汚染することなく 全てのいのちの循環系を確立した。 これはいのちの物々交換と呼ぶべ きものであろう。

 上述した「共生」、「調和」および「ゼロ・エミッション」という生物経済学の枠組みに沿ってヒト(ホモ・サピエンス)という種の保続を図るためにはこれまで人間本位で作り上げてきた経済の枠組みを根本から見直し、勇気を持ってノヴァ・パラダイムの構築を急がなければならないのではないでしょうか。このノヴァ・パラダイムを構築する上で、これまで述べてきたヒトの属性を明確に認識しておく必要があります。これまでの人類の歴史にあって、過去の著名な文明は周辺を砂漠化して滅亡したが、その文明の及ぶ範囲が地球上ではローカルであったため、ジオスフィアに与える影響は小さいものでした。ところが、産業革命以降の機械文明、物質文明はジオスフィア全体に及ぶ巨大な影響力を与えつつあることは周知の事実です。しかし、ヒトの属性は滅亡した四大文明の時代から何ら進歩していないどころかホモ・ストレシスと呼ぶべき新人類の比率が増大する中で肥大化する方向に向かっていると思われます。これまで述べてきたヒトの属性を大胆且つ簡略にまとめると以下のようになります。

1.身体的、精神的快適性の追求。
2.日和見と欲望。
3.属性の正規分布(全ての生物種において、それぞれの種を構成する各個体の持つ身体能力や機能は正規分布する)。

 1.は、ヒトという種が身体能力として自然との共生、調和とは相容れない発達の仕方をしてきたことによって必然的に形成されたもので、手を使い、火を操り、更に文明の利器を手にしてこの追求は快適性獲得のための手段としての金銭、快適性の受容器としての脳に特化してきたようです。

 残念ながら予定の字数になりました。続きは最後の原稿に廻すことにします。

野村隆哉

野村隆哉(のむらたかや)氏
元京都大学木質科学研究所教官。退官後も木材の研究を続け、現在は(株)野村隆哉研究所所長。燻煙熱処理技術による木質系素材の寸法安定化を研究。また、“子どもに親父の情緒を伝える”という理念のもと、「木」本来の性質を生かしたおもちゃ作りをし、「オータン」ブランドを立ち上げる。木工クラフト作家としても高い評価を受けている。

- 生物経済学事始 - 2010年1月発刊 Vol.29

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