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今さら聞きにくい「よく聞く言葉」を詳しく解説します

プレマ株式会社
お客様コンサルティングセクション
マクロビ業界に30 年以上

岸江 治次 (きしえ はるつぐ)

2013 年プレマ入社。マクロビオティック活動歴を活かし、主に、商品の開発と営業に関わってきた。
趣味は読書と映画、好きなジャンルはミステリー。最近のおすすめ映画は「ルーシー」。
無双原理の時空の概念を捉えるのにマスト。

代替ミートってなに?

投稿日:

肉をまったく食べない生活をしている友人がいて、どうしても肉が食べたいときは代替ミートを使っていると聞きました。代替ミートとはいったいなにでしょうか?(子どもが肉嫌いで悩んでいる30代主婦)

A.健康的な食事の選択肢を提供する新たな食品

答える人  プレマ株式会社 お客様コンサルティングセクション 岸江 治次

最近多くのスーパーで「代替ミート(代替肉)」を目にするようになりました。では、代替ミートはどういうもので、なぜ注目されるようになったのでしょうか。

以前は、肉や魚、牛乳、卵などの動物性食品を摂ることは健康に良いとされてきました。しかし近年の栄養学の進歩により、動物性食品を摂取しなくても、十分な栄養を得られることがわかってきて、栄養学の大家であるコリン・キャンベル博士もそのように結論づけた論文を発表しています。また、人間は近しい種よりも遠い種、つまり動物性食品より植物性食品を食べたほうが健康によいこともわかり、今ヨーロッパやアメリカなどでは、動物性食品を摂らない選択をしている人が非常に増えています。日本は海外に比べると栄養学が遅れていますが、食養生のマクロビオティックを創始した桜沢如一が無双原理を提唱したことをきっかけに、動物性食品を一切摂らない菜食主義(ヴィーガンやベジタリアン)のライフスタイルが普及してきています。

今、世界中で持続可能な社会(SDGs)への関心が持たれています。動物性食品の生産が環境に与える影響は深刻で、特に畜産業におけるメタンガスの排出が地球温暖化を促進しているといわれています。また、地球の人口増加に伴って食糧問題も注目され、1970年代ごろから「地球はひとつの宇宙船のようなものであって、食糧には限界がある」といわれ始めました。牛や豚に植物を飼料として与え、その肉を人が食べるのは非常に効率が悪く、直接植物を食べるほうが多くの人の食糧を確保できるといわれるようになってきました。

これらのことから、世界中で肉に代わる食品の研究が進められるようになりました。そして、近年、世界中で「代替ミート」が普及し、主に大豆や小麦、小麦に含まれるグルテンから作られています。しかし、最近は「グルテンフリー」が注目されているため、フードマイレージ(輸送時の燃料消費やCO2排出による環境負荷の指標)増加への懸念や、大豆を加工する際の添加物の過剰使用といった課題があるものの、大豆を原料とした代替ミートが広く使われています。代替肉といえば、少し前に食用コオロギが話題になりましたが、バイオテクノロジーの進歩により、培養肉も開発されつつあります。しかし、これはあくまで人造肉の塊です。いくら科学が進歩しても、科学で生命そのものを作り出すことはできません。味覚は添加物でなんとかだませる時代ですが、それも大きな問題を含んでいます。科学で無理やり作り出したものを食べることに対しては非常な危惧を感じます。
 今、海外では、いかに動物性食品を食べずに美味しく楽しく生活するかの研究がされており、大豆や小麦以外にも、エンドウ豆やそら豆など、新たな植物が肉の代替材料として注目され、美味しい製品が続々と開発されています。
 代替ミートは、環境への負担を軽減し、健康的な食事の選択肢を提供する新たな食品です。持続可能な社会への貢献や食品選択の多様性が注目される時代に生きる私たち。人は動物性食品を食べなくても健康に生きられるということを念頭に置いて、さまざまな情報を取り入れながら、今後の食事スタイルを考えてみてはいかがでしょうか。

- 基本のき - 2023年11月発刊 vol.194 -

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